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| Ｆ３５５のメーター |
フェラーリの中古車。
中古とはいえ、さすが天下のフェラーリ様は非常に綺麗な状態で売られているケースが多いです、ほとんどが極上車。
さらに雨ざらしの屋外に展示されるなどの不当な扱いとも無縁で、大抵はショールーム内で一等地に鎮座し、気軽には近寄りがたい演出をされて展示されてます。
どんなヤローだ？と物色するような眼光でジロジロこちらを見ている店員さんに、勇気をもって話しかけると、ようやくピカピカのフェラーリに近づく免罪符を取得できます。
近づいてみたら本当にピカピカの外装、内装も綺麗、メーターを見ると１０年オチのフェラーリなのに２．２万キロ。
ポジティブに考えると、え？こんなに走行距離少ないの？程度もいいし、こりゃあ千載一遇の掘り出しモンかも！！ と大興奮。
一方、ネガティブに考えると、いくらなんでも１０年で２．２万は少なすぎる。
市場で走行４万のフェラーリって見たこと無いし、どれもメーター戻してあるんじゃないの？？ だってフェラーリって高速しか走るトコ無いでしょ？ 絶対に巻き戻してあるよ！！？
ファーストカーとしての役割は果たせぬフェラーリは、当然ながらその使用状況次第で走行距離が大きく異なってきます。
実走で１０年２万キロの３４８もあるでしょうし、５年で３万キロのモデナもあることでしょう。
これ、仮にもフェラーリオーナーだった筆者の本音。
しかしよく目にするのはやっぱり低走行のフェラーリ、実際の市場には走行距離の少ない中古フェラーリがたいへん多く見受けられます。
また、「メーター戻し」と呼ばれるウラ技が確かに存在するとも囁かれるフェラーリ中古業界です、相手は百戦錬磨のプロ。たとえそれが本当でもウソでも、筆者も含めた大多数の方は真の走行距離を判定することなど絶対にできっこありません。
唯一の頼みは入念に記載された整備手帳ぐらい、けれども付属してない車体が多いし、あったとしても記載もれが多かったりする。
走行距離が多けりゃ多いで過走行車は敬遠したい、少なきゃ少ないで故障頻発で何度もドック入りしてたかも？ 経年による標準的な走行距離が定まってないフェラーリ様の走行距離は、なんとも判断しにくいです。
・・・かなりバイヤースガイドっぽくなってしまいましたが（笑）、売りに出されてるフェラーリの走行距離がどれも少なく感じるのは事実かと思います。
筆者は２００４年１２月６日にＦ３５５オーナーとなってから４年を経験しています。
その経年の走行記録によりフェラーリの走行距離について考察してみることにします。
なんかの参考になれば幸いです。
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| 00/12/6 購入 |
〜2001/12/6 |
〜2002/12/6 |
〜2003/12/6 |
〜2004/12/6 |
合計
(km) |
平均
(km) |
| 22592 | 26251 | 27914 | 29675 | 31120 |
| - | 3659 | 1663 | 1761 | 1445 | 8528 | 2132 |
で、これが筆者３５５の走行距離。
あまり乗ってないなとは感じてましたが、嬉しくてあちこちに走りにいった１年目を除くと年に２０００キロも乗ってないんですね、ちょっとオドロキです。
さらには年々減少傾向の雰囲気でもあります、特に今年度なんて１５００キロ以下ですからね、これはもはやフェラーリを所有してる意味があるかどうかさえ問題になってきます。（苦笑）
ちなみに所有した過去のフェラーリＶ８車と比較すると、
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THEMA8.32 |
328GTB |
F355GTS |
| 年間走行距離の平均 (km) |
8711.5 |
3680.5 |
2132.0 |
| 所有日数（日） |
414 |
659 |
1461※ |
と、さらに差が歴然。（笑）
もっとも８・３２は毎日の通勤＆ファミリーカーとしての役割がありましたから、単純に比較することができません、ここの考察では除外することにします。
なのでセカンドカーを有し、同じような使用用途だった３２８との比較こそが有意であると思われます。
で、その年間走行距離の違いは約１５００キロ。よっぽど３２８の時の方が嬉しくて、たくさん乗っていたのかな？ と思われたのですが、所有１年後の走行距離を調べてみると、 |
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328GTB |
F355GTS |
| 所有１年後の走行距離 (km) |
3472 |
3659 |
と、むしろＦ３５５の方が距離乗ってます。
なので３２８も長く維持すればするほど、３５５と似たような年間距離になったものと予想されます。
次にフェラーリの乗り方。
筆者も含め多くのフェラーリオーナーは「走るために乗る」が基本、それはフェラーリ仲間とのツーリングだったり走行会だったり。
中にはサーキットが専門というハードな方や、ここ一番のデートカーとしてしか使ってない（笑）なんて方もおります。
筆者が知るところでは、年３〜４回のツーリングと身近な仲間でのプチツーリング、ぶらり近所の幹線道路で散歩、なんて使用方法の方が一番多いです。
ツーリングの行き先は、関東なら東名で御殿場方面、東北道で那須方面、関越で磐梯方面あたりが多く、どれも往復３００キロぐらい、多くても４００キロぐらいの走行かと思います。
ちなみに雨に弱いフェラーリはそれを気にされるオーナーの方が多いので、リスクの高くなる遠距離ツーリングや宿泊ツーリングはあまり盛んではないようです。
どのみちフェラーリは高速道路メインでの走行が多くなります、しかも巡行スピードが高めになりやすいので距離が出やすい。
けれどもそれほど出動回数が多くないので、年の走行距離としたらやっぱり少なめになります。
あまりアクティブに走っていない筆者も同様な乗り方をしています。
ただ筆者の場合、仕事が不規則なのでキャンセルが迷惑となる（食事予約とか）ような大人数でのツーリング参加が少なくて、気軽にドタキャンがＯＫの湾岸やら首都高メインの距離の短いプチツーリングが多くなってるので距離が少なめです。
そんな典型的な乗り方をスタンダードだと仮定して、所有１年目が嬉しくて４０００キロ、２年目以降の走行を筆者の平均より若干増やして平均２０００キロとします。すると、
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１年後 |
２年後 |
３年後 |
４年後 |
５年後 |
６年後 |
７年後 |
８年後 |
| 年間走行 (km) |
4000 |
2000 |
2000 |
2000 |
2000 |
2000 |
2000 |
2000 |
| 通算距離 (km) |
4000 |
6000 |
8000 |
10000 |
12000 |
14000 |
16000 |
18000 |
となり、通常償却年である６年が経過しても１４０００キロの低走行車両となります。
走行距離が２００００キロに到達するのは９年後です。
これをわかりやすくフェラーリＶ８シリーズにシンクロさせてみます、２００５年初頭あるいは２００４年末にフェラーリＶ８を購入すると仮定した場合、
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| 2003：モデナ |
2002：モデナ |
2001：モデナ |
2000：モデナ |
1999：モデナ |
1998：F355 |
1997：F355 |
1996：F355 |
| 4000 | 6000 | 8000 | 10000 | 12000 | 14000 | 16000 | 18000 |
| 1995：F355 |
1994：348 |
1993：348 |
1992：348 |
1991：348 |
1990：348 |
1989：328 |
1988：328 |
| 20000 | 22000 | 24000 | 26000 | 28000 | 30000 | 32000 | 34000 |
という走行距離の個体に巡り合うと想定できます。
モデナの初期型が１２０００キロ、Ｆ３５５の初期型が２００００キロ、３４８の初期型や３２８の最終型が３００００キロや３２０００キロになる計算です。
もし筆者が２００５年に新鋭Ｆ４３０や新車のエンツォを購入したとしたら、その５年後の２０１０年でも走行１２０００キロの低走行車です、売却価格に大きな期待がかかるってもんです。
・・・もちろん絶対に買えませんが。（笑）
もちろんこの数値が正しいとは限りません、あくまで推測です。
筆者と身近のフェラーリ仲間を典型的なオーナー像と仮定したら、このような数値が導かれただけです。
当然ながらこれ以上多く走ってる方も多いですし、逆にこれ以下の方も大勢おります。
ともかく冒頭の「１０年オチで２．２万キロのフェラーリ」はそれほど稀ではないと思われます、少なくても千載一遇でありません、千載五百遇くらいかと思います。（笑）
ってことで、走るために乗るフェラーリは一般にそれほど距離は走っておりません、たとえ乗らなくてもあまり支障はないのですから。
ちなみにフェラーリ仲間での挨拶は、
「 どう？最近乗ってる？ 」
が一番多かったりします。（笑）
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